登山余話 登山記録

【登山余話12】初雪の立山・浄土山から五色ヶ原を見る

 

前回の余話
冬の五色ヶ原
【登山余話11】蓼科山ー1969年8月、16歳の夏旅

    山行データ2020年8月10~11日。67歳。妻と。名古屋(クルマ)沢渡(シャトルバス)上高地(歩き)徳沢ロッジ二泊。下山後松本一泊、13、14日と美ヶ原~霧ヶ峰散策、霧ヶ ...

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山行データ

2020年10月17~19日。67歳。妻と同行。
名古屋(クルマ)立山駅(ケーブルカー・バス)室堂(歩き)浄土山~室堂。

 

Goto~立山から氷見へ

氷見の海でとれたで初冬の魚を味わいたい、というのが発心。

10月中旬だと名産の寒ブリにはちと早いが、富山湾をゆりかごにする氷見の魚は舌鼓を打たせてくれるだろうと。

地酒なども傍らに。

 

30年前、氷見の隣の高岡で仕事をしていたころ、氷見の新鮮、美味な魚を堪能する経験を得ました。

夏には氷見の海で、幼い子供たちと海水浴をしたものです。

 

氷見の海岸から富山湾の向こうに遠望する、白んでそそり立つ剣岳立山薬師岳の壮麗・荘重・壮大、重厚な連山は、みごとと言うしかありません。

名にし負う山脈を一気に目におさめる望岳の地として、日本屈指といっていいでしょう。

 

8年前の妻との退職旅行でも、12月の氷見を訪れています。

民宿に一泊。とりどりの魚料理が食卓に並んで笑顔がこぼれました。

 

さて2020年はというと、新型コロナウィルス拡散のさなか、経済対策という旅行喚起政策の時期の今年の7月の北陸旅行でも氷見で宿泊。

そして今回は思い立ったが吉日、妻と二人の仕事(英語・数学塾)の都合をつけて立山~氷見の旅です。

 

立山駅写真
(美女平から室堂へバスで乗り継ぐ)

 

立山駅からのケーブルカー、美女平からのバス便への乗り換えなど、移動する先々のどこもかしこも、新型コロナの感染防止のため、消毒液、検温が待っています。

 

冬山と思え、立山の10月

「立山には、どんな衣類がいるの、登山靴は?」

「登山靴に防寒具あたりが必須だ」

 

立山の10月は初雪・初冠雪が普通だからです。

高岡にいた1989年10月始めの連休に、立山・真砂岳の尾根で吹雪に見舞われた中高年登山グループのうち8人が死亡しました。

 

遭難当日、わたしは合掌集落のある五箇山人形山に一人で登っていて、立山遭難救助の当日の昼には立山・雄山(真砂岳の手前)の頂にいました。

 

深いところは膝まで埋まる雪。

吹雪は去り、無常なまでに青々と空は晴れていました。

 

遭難したグループは、悪化する天候をついて室堂を出ると、雄山から別山方面へ縦走路を進み遭難したのでした。

10月の立山は、冬でもあるのです。

室堂の雪
(室堂の池巡り=正面が浄土山、左が雄山)

 

天気が安定すれば、涼やかな晩秋の散歩です。

表裏一転する本性を内に隠しているのです。

 

そうした記憶を携えて、初日は室堂山荘に宿泊予定。

名古屋から高速道路で富山入りすると、天候はあまりよくない。

立山駅周辺の駐車場はほどほどに混んでいて、まずまずの人出です。

 

室堂は夜来の初雪に白っぽく染まっていて、ひどく冷えます。

名古屋からざっと標高で2500mほど高く、単純計算で15度冷えたところにいるのです。

 

夕暮れの雪間と白い立山

山荘の部屋にリュックを置いて外を見ると、大粒の雪が横殴り。

じっと部屋で休もうとしていると、妻が「晴れたよ!」と。確かに、別山の斜面がくっきり。

 

室堂の池巡りに出かけます。

寒いので早足に、起伏ある散策道を巡ります。

 

同じように散策する連れ合いや、雷鳥沢でテントを張るのか?というような装備の人たちも見かけます。

ごく最近のテレビニュースで、雷鳥沢テント場が大変な混雑だったと報じていました。

 

すぐに分かりました。

トイレです。トイレ待ちに行列です。

 

週末の雷鳥沢に押しかけたキャンパーが、それほど多かったわけです。

コロナ対策の外出自粛の反発に違いありません。

 

高山植物があらかた枯れ、立山信仰で地獄の血の池などにたとえられた池などを見ながら小一時間。

山荘に戻って風呂に入るとガラス窓の真正面に白く染まる立山がどんとそびえ立っています。

 

地獄絵図のあとに、極楽絵図です。

 

浄土山の下りに指が縮みきる

翌日は天気が回復し、8時に山荘を出発。大気は冷えている。

雄山から別山方面への縦走ルートについて、山荘の関係者に熱心に聞いている女性が気がかりです。

天気は持つでしょうが、真砂岳遭難のルートですので。

展望
(一ノ越へは凍った舗道をたどる)

 

リュックを背に人々が、続々と雄山方面へ歩いて行きます。

目をあげれば確認できる一ノ越から雄山までは夏で1時間弱ですが、妻ははなから「いや、こんな恐ろしい雪道を登りたくない」と拒否。

ひとまず一ノ越まで石畳の道を、「最高のプレゼントが待っているから」と。

 

溶けた雪がところどころで凍っているので滑らないように注意します。

一ノ越に着くと信州側の展望が一気に全開・満開です(下の写真)

展望

さすがの妻も上機嫌です。

富士山南アルプス方面など、しきりに写真を撮ります。

縦走とみえる大学生ふうパーティも活気めいて、一ノ越はにぎわっています。

 

すぐ南の竜王岳の山頂に人が立っているのが仰ぎ見えます。

その手前の浄土山まで登ってから下山します。

浄土山へ
(一ノ越から浄土山へ。人並みが切れる)

 

人がまれ、積雪量があり、妻は、「同じ道でいいのにぃ。雪に足は埋まるし、ほら、風も冷たい」などと不満ですが、「こっちの方が下りやすい、夏に逆を歩いたとき、雷鳥をたくさん見た道だよ」などとなだめます。

 

平たい浄土山からは、雪の五色ヶ原がくっきり。

五色ヶ原
(五色ヶ原、薬師岳、黒部五郎岳、笠岳・・・歩いた山岳をまた歩きたい)

 

わたしはご機嫌です。

すぐ近くに見えるのに、意外と遠い。また行きたい。

 

北風に身を縮ませ、岩が折り重なり積雪で足下が分かりつらい急坂に滑りつつ室堂へ下ります。

軍手をする手首まで感覚がなくなるほどですが、下山後の氷見での風呂や食事が楽しみです。

 

足下に富山湾の波が寄せるその宿の風呂からは、今わたしたちがいる立山を遠い日の記憶のようにみはるかすことができることでしょう。

立山遠望
(氷見から富山湾を挟んで遠望する立山の連山)

 

(この項終わり)

 

 

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ゴン

1952年生まれ。 18歳で高校を卒業後、他県生活を30年余。 北海道、北陸、東京など、転勤に伴い転々とする。 退職後は2013年から自宅で小さな英語塾を開設。夫婦で小中高生や社会人と接する一方、夏秋になると北アルプス、南アルプスの山歩きをしている。 中学、大学でプレーした卓球を退職数年前に約35年ぶりに再開。地元高校のコーチは5年目(2020年4月現在)

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