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登山記録 白山

【白山2019年夏】夫婦のテント旅㊥

 

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薬師山頂
【白山2019年夏】夫婦のテント旅㊤

  山行データ66歳。2019年8月1~3日。砂防新道経由、南竜ヶ馬場でテント2泊。 山頂巡りなど。3日に下山後は滑川で友人夫妻と会食。 翌日は剣岳登山口の富山県馬場島山荘で宿泊後名古屋に戻 ...

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山行データ

66歳。2019年8月1~3日。
砂防新道経由、南竜ヶ馬場でテント2泊。山頂巡りなど。
3日に下山後は滑川で友人夫妻と会食。
翌日は剣岳登山口の富山県馬場島山荘で宿泊後名古屋に戻る。

 

 

メインの砂防新道は大混雑

私たちが歩いた砂防新道の歩き始めはまず別当出合の吊橋を渡るのですが、全線でいつも登山者が目の届くところにいます。

 

途中にある甚之助避難小屋では上り下りの登山者がくつろいでいて、外のベンチは満席です。

 

20年ほど前にて利用した甚之助小屋に水場はなかった記憶ですが、今は水道栓をひねると水が流れることに驚きます。

甚之助小屋
(甚之助小屋には、休憩ベンチもあり多くの登山者がくつろぐ)

 

旧小屋後跡はこのすぐ上にあり、ベンチもある休憩場所になっていました。

 

砂防新道を利用し初日に室堂の山小屋に一泊すれば、翌朝のご来光を山頂の御前ヶ峰で浴びて、同じ道のりで帰ることができます。

 

初めての高山を経験するには手ごろですし、私たちの二日間でも、幼児から高齢者まで日本の人口構成を反映するような顔触れです。

 

私たち夫婦は60歳代ですから、中高年登山の塊にいるわけです。

外国人の姿もちらちらあります。

 

昨年の薬師岳ではかなりしっかりとした縦走装備の20歳代のアメリカ人男子学生と出会ったのですが、今回は初日早々、サンダル、半ズボン、ヘッドフォン、軽バッグの男性(国籍は不明)が、私たちが休憩しているそばを登っていくのでした。

 

いくらなんでもサンダルはないよなぁ…と背中を見送ります。

ヘッドフォンで閉鎖した小空間で何を聞いているのだろう。

 

山から湧いてくるさまざまな音に聞き耳を立てればと思います。

 

テントサイトの小景、星屑

この夏の白山は残雪が少ないのでしょうか。

 

南竜ヶ馬場のテント場周辺に残雪が見当たらない。

ビールや炭酸水を冷やすつもりでいたのに、残念。

 

しかし、室堂の山小屋の賑わいから1時間ほど離れた南竜ヶ馬場のテント泊は、野営ならではの見聞があります。

 

四六時中おしゃべりが止まらない中高年カップル(迷惑でした)、高校のインターハイ?前の合宿らしい東北地方の高校生のテント設営など、さまざまです。

 

高校生たちはテント四隅の張り綱を一斉にトンカンとペグで固定していました。

 

私は天気模様をみてペグの固定はしないので、競技採点は見事にゼロ点です。

 

北アルプス赤牛岳山頂直下で強風にさらされたときは、ペグは当てにできないと判断し、大きな岩を抱えてテント内の四隅に置き、自分の体重と合わせて、一晩をしのいだものです。

 

夕暮れの極彩色を背に、ビール、ハイボール、焼き肉の夕食を済ませ、夜半に起きて外に出れば空には白銀があふれかえるような星のきらめきです。

 

これほどの星空は、南アルプスの千枚岳のテン場以来、十数年ぶりのような・・・。

 

目覚めた妻にも一仰を促します。

「すごいね」

 

古道をたどる・美濃禅定道

二日目の朝。

 

山頂一周をしながら、お目当ての高山植物との出会いを楽しみに出かけます。

天気もご機嫌です。

 

軽食や雨具をサブザックに詰めますが、昨日に比べ軽いものです。

 

テント場登山道わきにクロユリが一輪だけ咲いているのを昨日見つけていて、教えると妻はいさんで写真を撮ろうとします。

私は押しとどめます。

 

「一輪なんてケチなことはいわない。今日はうんざりするくらいの大群落が待っているんだ」

「信じていい?去年のことがあるし」

クロユリの大群
(クロユリが朝日を浴びて輝く)

 

歩いた登山道は「エコーライン」とちょっと意味不明の名ですが、歴史を紐解けば美濃(岐阜県)から白山山頂を目指す「美濃禅定道」の由緒があるのです。

 

長良川上流の長滝白山神社に始まるのが美濃禅定道

山に囲まれた盆地に開ける石徹白から石徹白大杉を見て別山を踏んで御前ヶ峰に至る道のりです。

 

ーー テント場から山頂まであと少し、雪解け水が岩を縫う沿いの急坂を登ります。

振り返る背に別山がくっきりと大きな山容をあらわし、高山の澄んだ冷気が肌をひたします。

 

圧倒的なクロユリ大群落

美濃禅定道は数年前の7月下旬、二日がかりで石徹白から歩いたことがあります。

南竜ヶ馬場から山頂部への道のりはその朝、濃い霧にべっとりと濡れていました。

 

しかし、室堂の手前の雪渓まで来ると少し霧が晴れてきて視界が開け、ガラガラとした登山道の周囲にクロユリが地に這う群落をなして周囲を圧倒しているのが目に飛び込んできました。

 

下向きに開いた花弁や葉に透明な水滴を身にまとい光に輝いて、したたかに咲いています。

そこがまず、今日もクロユリ群落の出迎えでした。

 

室堂山荘付近の雑踏を抜けると再び静かになり、草原性の山頂西斜面にみるみるクロユリの群落が展開し始めるではありませんか。

ここにも、そこにも、あっちにも。

コバイケイソウ
(クロユリの群落と仲良しのコバイケイソウの群落)

 

山頂を経て別のルート(展望歩道)では、ほとんど無人の静かな散歩です。

山頂から少しコースをずらすだけで、なんという落ち着いた自然なのでしょう。

 

クロユリの群落には事欠きません。

ハクサン小桜、コバイケイソウなどほかの花々も、たっぷりです。

 

ツンと白い紡錘を立てて点在するコバイケイソウは、クロユリと相性がよさそうに見えます。

 

これらとの再三再四の遭遇に、妻の機嫌はことのほか麗しい。

 

私はといえば、待望の残雪を手に入れることができ、こちらもご機嫌です。

 

テントに戻るとさっそく残雪冷蔵庫にビールや炭酸水をグッと冷やし切り、よい一日を祝福です。

 

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室堂
【白山2019年夏】夫婦のテント旅㊦

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ゴン

1952年生まれ。 18歳で高校を卒業後、他県生活を30年余。 北海道、北陸、東京など、転勤に伴い転々とする。 退職後は2013年から自宅で小さな英語塾を開設。夫婦で小中高生や社会人と接する一方、夏秋になると北アルプス、南アルプスの山歩きをしている。 中学、大学でプレーした卓球を退職数年前に約35年ぶりに再開。地元高校のコーチは8年目(2023年4月現在)

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